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ヘルスケアの分析:その2=健康食品・サプリによる予防【第31回】

入江 宏志(DACコンサルティング代表)
2020年2月25日

健康食品・サプリに含まれる成分はさまざま

 サプリには、さまざまな成分が含まれている。健康食品会社は売り上げの10%程度を広告宣伝費に使っており、サプリの成分を広告で見たり聞いたりする機会は多い。だが多くの一般消費者にすれば知らなくて当たり前なので、ここでまとめておこう。聞いたことはあるが意味までは知らないということは、よくあることだ。

 成分の用語を調べても、化学式を使った専門的な解説はあっても、わかりやすい説明は少ない。そこで、健康食品に関する広告等を中心にテキストマイニング(第15回参照)してみた。その結果が表2である。一番多かった「期待される効果」を記載している。

表2:筆者の摂取データの分析によるサプリメントに期待される効果と頻度
成分(健康食品・サプリメント)期待される効果(例)頻度*補足
青汁便秘解消やダイエットーー
アスタキサンチン老眼に効くピント調整
イミダゾールジペプチド疲労回復ーー
カテキン脂肪を分解ーー
グルコサミンひざ関節痛を緩和ーー
コエンザイムQ10抗酸化作用老化は酸化することだが、酸化を防ぐことを抗酸化という
コラーゲン美容骨・関節疾患に期待
スクアレン新陳代謝の活性化ーー
乳酸菌腸の調子を整え、低下した免疫力の活性化小腸で働く
- 乳酸菌シロタ株睡眠の改善、ストレス緩和ーー
- プラズマ乳酸菌風邪予防ーー
ビタミンA夜間の視力維持皮膚や粘膜の健康維持
ビタミンB群ーーーー
- ビタミンB1・2・6皮膚や粘膜の健康維持ーーーー
- ビタミンB12赤血球の形成を助けるーーーー
ビタミンC抗酸化作用皮膚や粘膜の健康維持
ビタミンDカルシウム吸収腸管でのカルシウム吸収を促進し、骨の形成を助ける
ビタミンE抗酸化作用体内の脂質を酸化から守る
ビフィズス菌腸内の有害菌を抑制大腸で働く
ブルーベリー目の血管を強化ーー
ローヤルゼリー免疫力の強化ーー
DHA認知機能に効くーー
EPA認知機能に効くーー
GABAストレスの緩和ーー
L-オルニチン解毒作用、脂肪の分解ーー
L-カルニチン脂肪の燃焼ーー
*何の成分を頻繁に健康食品・サプリ業界が使っているかの目安(高・中・低)

 何の成分を健康食品・サプリ業界が頻繁に使っているかというデータも分析してみた。成分を取り扱う多さで「高・中・低」に分類した結果が、表2の頻度欄である。たとえば、商品名にブルーベリーが入っていても、その商品にはビタミンB1、B6、B12、マリーゴールドなども含まれている。商品名だけからは正しい分析はできない。ほかの含有量まで調査する必要がある。

 成分の頻度が「高」や「中」のものは、多くのメーカーが出している。利用者は、どのメーカーの商品でも買える。一方で、メーカーは熾烈な競争で勝ち残らなければならない。そのため市場で生き残っている商品には、利用者が支持している理由がある。

 逆に頻度が「低」のものは、希少価値があるが、データが少なく評価はされにくい。効果を証明するデータが十分ではないと言う専門家も少なくない。しかしながら、利用者個々人が効果を実感しているならば声高に否定する必要もない。あくまでも健康食品だからだ。