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ヘルスケアの分析:その2=健康食品・サプリによる予防【第31回】

入江 宏志(DACコンサルティング代表)
2020年2月25日

国の審査があるのはトクホだけ

サプリを含めて健康食品を評価するためには、図1に挙げた保健機能食品のカテゴリーも知っておいたほうが良いだろう。「特定保健用食品(トクホ)」は、国が唯一審査するカテゴリーで、専用のマークもある。

図1:健康食品の種類

 「栄養機能食品」は、国の審査はないが、国が定めた量の栄養素を含んでいれば効果を表示できる。鉄・葉酸・亜鉛・ビタミンB・ビタミンEなどが代表的な成分といえる。パッケージには「栄養機能食品(鉄・ビタミンB12)」のように、括弧内に成分が表されている。

 「機能性表示食品」は、科学的根拠を国に届ければ効果を表示できる。審査はなく届け出なので、この分野の商品が増えている。審査がないため、その効果は企業のコンプライアンスに頼らざるをえない。たとえば、果物のメロンでも機能性表示食品になっているものがある。GABA(ギャバ)を含んでいて「一時的な精神的ストレスの緩和に」といった効果を宣伝文句にしている。

 加えて、保健機能食品ではないが、単に健康食品として「栄養補助食品」「健康補助食品」がある。これは自称的な意味合いが強く、行政上の定義はない。効果も表示できない。身近で確認した範囲では、黒酢で栄養補助商品、ローヤルゼリーで健康補助食品という表示が目に付く。

健康に全く問題のない人には効かない

 「サプリは効かない」という雑誌や本も数多い。この世界では諸説あるという前提で説明を進めたい。お金の分析であれば、関連する金融機関や商品を複数同時に試せる。しかしヘルスケアの領域では、同じ成分が入った類似のサプリを同時には摂取できない。それだけサプリの分析では、長い年月をかけた分析に価値が出てくる。

 ここで筆者が2001年からサプリを摂取してきた記録と、その分析から、特に予防面で効果が感じられるサプリを紹介してみよう。

 筆者とサプリの出会いは、「少し体がだるい」と感じて「スクアレン(鮫肝油)」を定期的に摂ったことである。その効果はテキメンで、今でも継続している。それ以後、健康診断の結果や自覚症状から弱っている箇所があれば、それに効くであろうサプリを試している。すでに19年以上も記録・分析してきているので、その結果は役に立つだろう。

 たとえば以前、動悸が気になる時期があった。それが「コエンザイムQ10」を摂取してからは本当に緩和されている。歳を取れば多少なりとも心臓に影響が出てくる。コエンザイムQ10は「心臓に良い」とも言われており、実際に摂取後は動悸がない。他の改善方法は併用していなかったので関係性が実感できた。

 ただ、自戒の意味からは、極端に心理的な現象は排除しなければならない。第2回で紹介した錯誤相関と原因帰属を思い出してほしい。錯誤相関とは、2つの事象に実際は関係がないのに関係があるものとして比べる心理現象である。この点を考慮しても筆者の経験と分析からは、サプリに一定の価値が認められる。

 経験的に言うと、サプリは健康に全く問題のない人には効かない。だが、多少弱っている人や多忙な人、食事で適切な成分を摂れていない人には効果的だと考えられる。ただし、病気の場合は医薬品が必須である。医薬品を摂取し始めたら、サプリとの飲み合わせもあるので医師や薬剤師、あるいはサプリのメーカーなどに必ず確認すべきである。