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ヘルスケアの分析:その3=ヘルスケアの辞書【第32回】

入江 宏志(DACコンサルティング代表)
2020年3月30日
表5:病気手前の状態・健康診断のデータと食材との関係。〇=なるべく取りたい ×=なるべく控えたい
病気手前の状態健康診断のデータ
ストレス肥満フレイル腎機能の低下血圧が高め血糖値が高め中性脂肪値が高めLDLコレステロールが高め肝機能の数値がよくない尿酸食材
お茶
ヨーグルト
シジミ
肉(脂身あり・皮つき)
肉(脂身なし・皮なし)
羊の肉
鶏のムネ肉
大豆製品
緑黄色野菜
淡色野菜
海藻・キノコ・こんにゃく
トウガラシ
ショウガ
果物
ごはん・パン・麺類
動物性脂肪
砂糖
塩分(塩・醤油・味噌・・・)
菓子
ジュース(人工甘味料・着色料・保存料が入っているもの)
アルコール類


表6:病気手前の状態・健康診断のデータと運動との関係。□=有効と思われる
病気手前の状態健康診断のデータ
ストレス肥満フレイル腎機能の低下血圧が高め血糖値が高め中性脂肪値が高めLDLコレステロールが高め肝機能の数値がよくない尿酸運動
早歩き
柔軟
屈伸
散歩



健康診断の結果から食材を考える

 健康診断で異常値が出て経過観察になれば、食材で工夫をしても良い。たとえば、LDLコレステロールが高めならば、表5の通り、卵や肉(脂肪あり・皮つき)を控える。同様に動物性脂肪、菓子、アルコール類、ジュースを控える。積極的に摂っていいものは、魚、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻・キノコ・こんにゃくとなる。これらはデータから読み取れる。後は、医師など専門家の指導のもと継続できるかどうかだ。

 同様に、肝機能の数値がよくない場合は、表4の通り「肝臓病」や「高脂血症」のことを知ってほしい。ただし、医学は日々進歩し、ヘルスケアに関する常識も絶えず変化していく。そのため表1〜6は、あくまでも現時点における例であり、常に更新しなければならない。

 病気になる、あるいは、その手前だと抵抗力が弱くなる。そのため『抵抗力を強くする』というキーワードで食材を分析すると、下記の結果を得られた。

【食材】【機能】
キノコ抗酸化作用、抗炎症作用
柑橘類ビタミンCが豊富。(グレープフルーツはその代表。ただし、薬との飲み合わせに要注意)
ヨーグルトプロバイオティクス(人体に良い影響を与える微生物を含む製品・食品)
オメガ3脂肪酸(特に、鰯・鯖など青魚に含まれる。)
ニンニク抗酸化作用
ナッツビタミンE
鶏肉病気に抵抗する助けとなるシスチンを含む(特に、ささ身肉がいいとされる。鶏肉では脂肪が一番少ない。次に脂肪がない部位はムネ肉である。ちなみに「ささ身」という名前は笹の葉の形に由来する)
大豆製品さまざまな栄養素(タンパク質、脂質、ビタミンB1、ビタミンE、葉酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛など)が豊富

 これらは、病気が心配ならば、健康なうちから、あるいは、病気ではないが少し弱ったなと感じたら摂取したい食材だ。ウイルスや細菌に対する抵抗力を高めたい。