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- 会津若松市はデジタル化をなぜ受け入れたのか
会津若松が市民参加型で推進するデジタルガバメントの姿【第5回】
〜データに基づく市民中心のスマートシティの実像〜
会津若松+のサービス導入にあたり会津若松市は、KPI(重要業績評価指標)に「市民とのコミュニケーション率を30%まで向上させる」ことを設定した。目標数値を「30%」にした理由の1つは、総務省統計局が実施した『平成27年国勢調査』の「市町村別インターネット回答世帯数及び回答率』において、会津若松市のインターネット回答率が約30%あり、十分に達成可能な数値だったことである。
もう1つの理由は、市民の30%と密なコミュニケーションを確立できれば、イノベーター層やアーリーアダプター層を超えて、マジョリティ層にも手が届く比率になることだ。また、従来のマスメディアでいうところの高視聴率コンテンツだと言えるため、口コミによる情報拡散が期待でき、より多くの市民に政策を伝えていける。さらに、30%の市民のインタラクティブな情報は、マーケティング的にも有効なデータであると考えられるといった理由もある。
四半期に1度のペースでサービスを追加・改善
会津若松+のサービス開始から2018年3月で約2年が経つ。会津若松市の人口約12万人に対し、これまで8万7000人を超えるユニークユーザーが利用。その間、四半期に1回程度の頻度で機能追加や改善を図ってきた(参考資料の23ページ)。会津若松市のオープンデータ基盤である「Data for Citizen」や、外部サービスとのデータ連携、ユーザーである市民からの意見の反映などである(図4)。具体的なサービスをいくつか紹介しよう。
(1)各種行政/地域情報提供サービス
利用者がSNS(ソーシャルメディア)と連携してログインすると、利用者ごとにパーソナライズされた行政および地域情報が提供される。スマートシティサービスとして提供されている「電力見える化サービス」や「ヘルスケアサービス」などを利用すれば、サービスログイン後のホーム画面上でウィジェット(Widget)が現れ、各サービスの詳細情報に簡単にアクセスできる。