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既存ツールの活用やルールを見直し、リモートワークでもアジャイル開発を可能に〔PR〕

(ほぼ)完全リモートワーク環境下での効率的なアプリケーション開発について

DIGITAL X 編集部
2021年1月27日

コロナ禍によってリモートワークを余儀なくされた職場の中でも、システム開発は大きなインパクトを受けている領域の1つだ。とりわけメンバー同士の対話を重視するアジャイル開発の現場では、基盤となる作業環境が180度変わると言っても過言ではない。「Digital X Day 2020 Online」に登壇したNTTデータのAgileプロフェッショナル担当 主任である内堀そよみ氏が、リモート環境において、NTTデータのアジャイル開発チームがどのように課題を乗り越えてきたか、その経験を語った。

 アジャイル開発は、ビジネス環境や市場の変化スピードに対応するため、顧客ニーズに合ったソフトウェアを、より迅速に開発するための手法だ。「スプリント」と呼ぶ短いスパンで最小限の機能を開発し、ユーザーからのフィードバックをもとに、改善とリリースを素早いサイクルで繰り返していく。そのために開発チームのメンバー同士や顧客との対話を重視する点が、アジャイル開発の大きな特長の1つになっている。

 NTTデータのアジャイル開発チームは、2020年春のコロナ禍による緊急事態宣言で社内への立ち入りが禁止され、全員が強制的にリモートワークに移行することになった。Agileプロフェッショナル担当 主任の内堀そよみ内堀氏は、当時をこう振り返る(写真1)。

写真1:NTTデータ Agileプロフェッショナル担当 主任 内堀 そよみ 氏

 「それまでフェイス・ツー・フェイスを前提とした仕組みが機能しなくなりました。ホワイトボードを囲んでの案件説明もできません。チームに新規で加わった人とは、どうコミュニケーションを取るのかといった心理的な負担もある。お客様の現場に常駐しているメンバーの場合、お客様からも期待通りの成果を出せているかが見えにくくなったという悩みもありました」

リモート化で浮上してきた課題に3つの改善ポイントで取り組み

 そこで内堀氏らは、改善ポイントを次の3つに絞り、解決への取り組みを始めた。同社はアジャイル開発の手法として「スクラム(Scrum)」を採用している。

改善ポイント1 :チームビルディング
改善ポイント2 :スプリント期間中の各種スクラムイベント
改善ポイント3 :各種スクラムイベント外の日々の開発作業

 それぞれの取り組みと、その結果を見てみよう。

(1)チームビルディング:コラボレーションツールとOJTで新規メンバーを受け入れ

 チームビルディングでは特に、新規メンバーをどう受け入れていくかが課題だった。具体的な解決策としては次の3点を取り決めた。

(1)ノウハウ共有の強化: ホワイトボードを囲んだ説明・対話ができないため、メンバー各人の持つノウハウなどをドキュメント化して、コラボレーションツール「Confluence」のページ上で資料化した。

(2)ペアリングの導入: 既存メンバーと新規メンバーでペアを組みOJTを実施した。疑問や相談の際にも「誰に聞けばいいか」を明確にすることで、新人が相手に話しかける際の心理的負担を減らした。

(3)育成計画の作成: 顧客から進捗が見えにくいため、新規メンバーが参入する際には育成計画書を作成。顧客から合意を得た上で、週単位で予実の管理・報告を行い、顧客の信頼を獲得した。