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レガシー問題は経営問題、“持続的”な企業基盤としてのクラウドを再考する【DIGITAL X Forum 2019】

DIGITAL X 編集部
2019年4月4日

Google Cloud:チームの力を最大限に引き出す企業文化が重要

 AI(人工知能)関連のサービスなどで利用者層を増やすGoogle Cloud Platform(GCP)。グーグル・クラウド・ジャパンのGoogle Cloudカスタマーエンジニアである浅沼 勉 氏は冒頭、Googleのミッション「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」を紹介した。

写真5:グーグル・クラウド・ジャパンGoogle Cloudカスタマーエンジニアの浅沼 勉 氏

 そのうえでデジタル化に必要な(1)人(ビジネス・技術)、(2)組織文化、(3)テクノロジーの3つのポイントの中から、組織文化とテクノロジーについて説明した。

 デジタル化に必要な組織文化として浅沼氏が挙げるのが「チームとしての信頼感」だ。その一例都として、Googleにおける会議の議事録を示す。同社では「Googleドキュメント」を使って文書を共有しながら「参加者全員が議事録を同時に作成・編集する」(浅沼氏)。そこで重要なことは「『このチームの中では、何をしても肯定される』という了解があること。サイコロジカル・セーフィティー(心理的安全性)が重要な企業文化になっている」(同)と説明する。

 テクノロジーに関しては、「クラウドはデジタル化の前提事項」とする。その理由として浅沼氏は、(1)俊敏・弾力性・コスト、(2)先端技術の活用、(3)セキュリティの3つを挙げる。

 俊敏・弾力性・コストの面では、「すぐに使える、料金は使った分だけ、いつでも止められるクラウドは、DXのプロジェクトにピッタリだ。アイデアを2〜3週間寝かしてから始めるというDXプロジェクトは、ほとんどないはずだ」と浅沼氏は指摘する。

 先端技術の活用では、「DXのプロジェクトは技術領域が非常に広い。それぞれの環境構築に時間をかけていては、それだけでビジネスが立ち後れてしまう。自分たちで1から開発するのは無理だ。すでにある、さまざまなツールを組み合わせて使えば良い」(同)とした。

 セキュリティで浅沼氏が強調したのがデータの扱いだ。「B2C(企業対個人)のサービスでは、ユーザーデータを使って広告に活用するイメージが強いかもしれないが、B2B(企業間)ではGoogleがユーザーのデータを勝手に利用することは決してない。データはユーザーのもの」という。

 サイバーセキュリティに関しては、「Googleは700人超のセキュリティエンジニアを抱えている。どのレイヤーに強いということではなく、すべてのレイヤーで防御を固め、それら連携させる多層防御で安全を考えている」と説明した。