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『Impress DX Awards 2019』の総合グランプリはMONET Technologiesが受賞

受賞者数は全5部門で合計23社/団体に

志度 昌宏(DIGITAL X 編集長)
2020年3月30日

(1-b)プロジェクト部門(自治体)

グランプリ:美園タウンマネジメント協会

対象 :「ミソノ・データ・ミライ」プロジェクト
概要 :情報銀行の仕組みを活用したヘルスケアなどの地域サービスの実証実験。市民モニター100人の参加を募り、個人のヘルスケアデータや購買データ、住環境データなどを情報銀行で組み合わせ、各種サービスに利用する
選考理由 :データに基づく住民サービスが求められる半面、個人情報/プライバシーの問題が浮上している。そこに「情報銀行」の考え方を採り入れ、具体的な成果につなげようとしている。難易度が高い個人データを扱う都市サービスの実現に正面から取り組んでいる点も評価する

準グランプリ:長野県伊那市/フィリップス・ジャパン/MONET Technologies

対象 :ヘルスケアモビリティ
概要 :医療用MaaS(Mobility as a Service)を実現するヘルスケアモビリティ。健診機器などを搭載したクルマで住民宅を巡回し、個々人が病院に行かなくても遠隔から医師の診察を受けられるようにする
選考理由 :MaaSによる人の移動ではなく、医療機器や看護師などを逆に住民の元に移動させることで交通が不便な地域を含めたヘルスケアを実現している。「医師の診断を受けるために病院に行く」という常識を変える可能性を秘めている

(1-c)プロジェクト部門(ベンチャー)

グランプリ:ファームシップ/豊橋技術科学大学

対象 :野菜の市場価格をAIで予測するためのアルゴリズム
概要 :東京・大田市場における1〜2カ月先のレタスの市場価格を予測するアルゴリズム。予測値は「市場価格予測配信サービス」として無償提供する。NEDOの「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」事業の一環
選考理由 :植物工場で作った野菜の需給マッチングを図るための基礎情報を提供しマッチング精度を高めることは、栽培した野菜の廃棄や販売機会損失の削減が期待できる。農業や食品の分野でのDXは重要である。大学との共同開発であることにも期待する

準グランプリ:メディカルフォトニクス

対象 :血液ニゴリチェッカー「CaLighD(キャライド)」
概要 :採血せずに血液のニゴリを数値化するセンサー。静脈(血管)にセンサーを当て、食事で摂った糖や脂質などで生じる血液のニゴリ粒子に反射した光の散乱を独自のアルゴリズムで解析することで、ニゴリを数値化する。北大発のベンチャー企業である
選考理由 :血液の状態を採血なしで測定可能にした画期的な成果である。ソフトウェア系ベンチャー企業が多い中で、ハードウェアデバイスを含めた製品/サービスに取り組んでおり、さらなる発展が期待できる

(2)アプリケーション&サービス部門

グランプリ:ミスミグループ本社

対象 :meviy(メヴィー)
概要 :3D設計データをアップロードすると、数秒で価格と納期を回答し、最短1日で出荷する“ものづくり”のためのサービス。同様サービスを展開する米大手のプロトラブズ社とも連携している
選考理由 :多品種少量生産時代にあって試作品および完成部品のそれぞれを短期に製造できるようにした。3Dデータに基づく見積もりでは、設計上の不具合点を指摘するなど、設計者の育成にもつながっている。「Connected Industry」に該当する典型的なアプリケーションとして重要である

準グランプリ:日本動物高度医療センター(JARMeC)

対象 :ペットの健康管理ツール「プラスサイクル」
概要 :犬や猫などのペットに、直径27mm×厚さ9.1mm、重さ約9gの活動量計を装着し、気圧センサーや3軸加速度センサーによりペットがジャンプした回数などを測り加齢による関節炎などの前兆を把握する。活動量は獣医師専用Webサイト「Dr.SITE」を介して獣医師と共有できる
選考理由 :IoTによる人のヘルスケアと同等の仕組みをペット用として実現している。少子高齢化が進む日本においてペット分野のDXは大きな社会的意義を持つ。動物園でのアジアゾウの健康管理にも利用されており、用途の広がりも期待できる

(3)プラットフォーム部門

グランプリ:ヤフー

対象 :ヤフー・データソリューション
概要 :ヤフーが提供する検索や位置情報などのサービスから得られるビッグデータから企業や自治体がインサイトを得るためのサービス
選考理由 :データに加え、ダッシュボードサービスとデータ分析および事業支援のコンサルティングサービスを提供することで、個人情報保護/プライバシーなどとビッグデータ活用を両立した具体的な成果につながっており、データに基づく日本の活力向上に期待する

準グランプリ:ヤマハ発動機

対象 :YSAP(Yamaha Motor Smart Agriculture Platform)
概要 :スマート農業のためのソフトウェア機能を提供するプラットフォーム。同社のドローンや産業用無人ヘリコプターを使った農薬散布、施肥作業のデータ管理や運行管理が可能なほか、関連サービスとの連携を図る
選考理由 :スマート農業のためのプラットフォームとして、自社が提供するドローン関連サービスだけでなく、農家が求める他社サービスを取り込むことを可能にしている。スマート農業の推進に期待する