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『Impress DX Awards 2019』の総合グランプリはMONET Technologiesが受賞

受賞者数は全5部門で合計23社/団体に

志度 昌宏(DIGITAL X 編集長)
2020年3月30日

(4)ネットワーク部門

グランプリ:KDDI

対象 :船舶向け通信サービス「Certus350」
概要 :衛星通信サービス「イリジウムCertus」を基にした船舶向けの通信サービス。海上の船と陸の間で最大1.4MbpsのIPデータ通信を可能にする
選考理由 :グローバルなサプライチェーンが広がる中で海上での通信回線確保は重要である。船舶との陸上の通信容量を拡大し、より多くのデータをやり取りできるようにすることで船舶/海上を対象にした新たなデジタルサービス創出を支えると期待できる

準グランプリ:ソニーネットワーク/NECネッツエスアイ/オリックス

対象 :ELTRES(エルトレス) IoTネットワークサービス
概要 :見通しで100km以上の通信が可能なLPWA(低消費電力・広域)の通信規格である「ELTRES」(ソニーとソニーセミコンダクタソリューションズが開発)を使ったIoTのための無線通信サービス
選考理由 :見通し距離100km以上、時速100km以上での移動通信を20mWの特定小電力無線で実現している。5Gへの注目が高まる中、LPWAを必要とするIoTシステムの普及を後押しすると期待される

準グランプリ:凸版印刷

対象 :トッパンセキュアアクティベートサービス
概要 :暗号鍵・証明書の工場での書き込みやネットワークでの配信を管理し、IoTデバイスとクラウド間のセキュリティを確保するサービス
選考理由 :IoTデバイスの初回起動時からクラウドへの接続、廃棄までのライフサイクル全体を対象に、データの盗難や改ざん、乗っ取りなどの攻撃を防止できる接続と有効化(アクティベート)を実現している。IoTの推進に重要なセキュリティにおいて、メンテナンスコストの低減が期待できる

(5)エッジコンピューティング&デバイス部門

グランプリ:JIG-SAW

対象 :neqto: エンジン
概要 :各種の機器をIoT化するための組み込み用エンジン。リアルタイムOS(RTOS)を使った独自のIoTサービス「neqto: 」に搭載されている仕組みから「neqto: エンジン」のライセンスをサブスクリプションモデルで提供する
選考理由 :後付けでIoTを可能にするベースシステムとして重要である。利用企業のクラウド環境からの遠隔制御や、クラウド上のビッグデータ処理、深層学習と連携するエッジ端末側での処理が実行できるなど、ものづくり企業のデジタル化の支援を期待できる

準グランプリ:AGC/NTTドコモ/エリクソン・ジャパン

対象 :ガラス一体型5Gアンテナ
概要 :車や建物のガラスをアンテナとして利用し5Gで通信するためのアンテナモジュール
選考理由 :28GHz帯の5G通信では車室や建物内では電波が弱まる傾向があることを回避し、電波が弱まる前のガラス面での送受信を可能にした。DX推進において重要な役割を持つ5Gの活用範囲の拡大に寄与すると期待できる

準グランプリ:コクヨ

対象 :しゅくだいやる気ペン
概要 :一般の鉛筆に装着し、加速度センサーにより文字を書いた動きを測定し、勉強に取り組んだことを「やる気パワー」として記録する。LEDの色変化や専用アプリとの連携により継続性を可視化する
選考理由 :IoT技術により、子供のやる気を引き出し継続して学習するための仕組みを実現している。保護者にも褒めるきっかけを与えるなどで円滑な親子のコミュニケーションの創出が期待できる。人間力の向上分野でIoT技術が成果を産めることを広く知らしめた

未来に続く社会課題の解決と産業の活性化を後押し

 デジタルトランスフォーメーション(DX)は、IoTやAI、クラウドといったデジタルテクノロジーをテコにビジネスや社会サービスの変革を図るもの。少子高齢化に伴う労働人口減少や医療費の高騰など、多様化し複雑になる一方の経営的/社会的課題の解決を目指す。

 『Impress DX Awards』は、それら課題の解決に向けた先駆的な取り組みや、それを可能にする製品/サービスを表彰することで、DXの先駆者が得た知見を広く知らしめ、よりオープンに共有することで、日本全体をDXへの取り組みを加速するのが目的だ。単に先進的な製品/サービスだけでなく、プロジェクトを実行するに当たっての意思決定の中身や、組織改革のための手法なども視野に審査されている。

 審査員は、越塚 登 東京大学大学院 東京大学大学院 情報学環 学環長・学際情報学府 学府長、澤谷 由里子 名古屋商科大学ビジネススクール大学院 教授、藤原 洋 インターネット協会 理事長/ SBI大学院大学副学長・教授の3人の有識者と、インプレスのDXに関連する18媒体の編集長。DXの推進においては、最終利用者である消費者の評価が重要なことから、インプレスのB2C(企業対個人)メディアの視点からも審査しているのが特徴の1つである。

 実施に当たっては、経済産業省、インターネット協会、組込みシステム技術協会、コンピュータソフトウェア協会、CDO Club Japan、情報サービス産業協会、情報処理推進機構、電子情報技術産業協会、モバイルコンピューティング推進コンソーシアムからの後援を受けている。

 『Impress DX Awards』は次年度も継続される予定。実施概要などの詳細は『Impress DX Awards』専用サイトに順次、掲載される。