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設計者の“意図”を汲み取る「ニューラルCAD」が人間の創造性を解放する
「Autodesk University 2025」より
2018年からのAI技術の研究開発が今に続いている
ヘイリー氏のリサーチ部門では2018年に専門組織「AIラボ」を設立した。AI技術を使った設計方法として、主に部品の軽量化や強度向上など性能の最適化を目的にした「ジェネレーティブデザイン」などに取り組んできた。
最近では2024年に「Project Bernini(プロジェクト・ベルニーニ)」(関連記事)を発表している。基盤モデル構築のための実験的プロジェクトで、テキストやスケッチなどから3Dモデルを生成する仕組みである。
現在はニューラルCADにつながる「Project Think-Aloud(プロジェクト・シンクアラウド)」に取り組んでいる。「作業中の発話やスケッチをAI技術で解釈し、設計にリアルタイムに反映させる。設計者の意図を先読みし、部品名を自動で提案したり、関連ヘルプを表示したりする」(ヘイリー氏)仕組みを開発する。
ヘイリー氏は「これら設計のための研究開発の蓄積が、ニューラルCAD構想の下支えになっている」と話す。ではニューラルCAD構想は、どの程度まで開発が進んでいるのだろうか。Autodesk University 2025では、製造業、建設業、メディア・エンターテイメント(M&E)業における現状がデモンストレーションされた。
製造業での利用例
「エアフライヤー(熱風による揚げ物調理器)」という概念を投げると、AI技術が、一般的なエアフライヤーの表面形状やふち(エッジ)、位相(トポロジー)を推論しCADモデルを生成する(図1)。生成過程では「ノード(点)を浮かび上がらせ、3Dの幾何学構造そのものを思考し描写する」(アナグノスト氏)という。
生成したCADモデルは「フィレット(丸み)の半径を変更したり、シェル化(肉抜き)したりの編集作業ができる。下流のCAM(Computer Aided Manufacturing:コンピューター支援製造)やCAE(Computer Aided Engineering:コンピューターによる開発)にもつなげられる」(アナグノスト氏)とする。
建設業での利用例
建物タイプ(集合住宅など)や主要部材(木)など大まかな形状(マスモデル)を指示すると、構造やコストといった制約条件を加味しながら、ユニットの構成や廊下、必要な設備スペースなどの内部レイアウトを生成し、建築物として成立する一般的なパターンを推論する(図2)。
生成された3D CADモデルでは、壁や柱を選択して移動したり変更したりができる。建築家や設計者はAI技術が提示したプランを比較検討し、施主の要望に合わせて修正すればよい。例えば「木造とコンクリート、どちらがより多くのユニットを効率的に配置できるか」といった検討もできるとする。


