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お金の分析:解説編=ライフイベントの辞書から年代別モデルを作る【第29回】

入江 宏志(DACコンサルティング代表)
2019年12月23日

ライフイベントの決定が分析の多様性を左右する

 今回の「お金の分析」執筆に当たり筆者は、各検討課題について分析を繰り返し、明確な根拠を得ながら、年代別の結論、生き残る方策へとつなげていった。第27回で説明したのは、50代についての下記項目となる。

フェーズD :重要な検討課題を「6個」抽出
フェーズE :「早期退職の検討課題」について分析した深い考察と結論
フェーズF :「金融資産・不動産・収入などの有無」に応じた生き残る方策

 以下、年代別のモデルの例、つまり、テキストマイニングした結果を列挙する。自由にライフイベントを決めることで、分析の多様性が増すことになる。

60代のモデル

ライフイベントのキーワード :定年退職、相続
重要な検討課題
1.退職後のお金
2.住宅の問題
3.相続の準備
4.健康の問題

50代のモデル

ライフイベントのキーワード :早期退職
重要な検討課題
1.公的年金
2.企業年金
3.個人年金
4.健康保険
5.不労収入
6.借金・住宅ローン

40代のモデル

ライフイベントのキーワード :相続人、転職、子供の進学
重要な検討課題
1.相続に係るお金
2.不動産の相続
3.老後の備え
4.子供の進学に係るお金
5.住宅ローンの借り換え
6.転職に係るお金
7.お墓の購入、管理

30代のモデル

ライフイベントのキーワード :結婚、出産、住宅取得、子育て、副業
重要な検討課題
1.結婚に係るお金
2.出産に係るお金
3.住まいに係るお金
4.教育に係るお金(預貯金よりも教育)
5.銀行の商品の活用
6.保険会社の商品の活用
7.副業に係るお金・税

20代のモデル

ライフイベントのキーワード :就職
重要な検討課題
1.将来への備え
2.医療保険
3.預貯金
4.投資
5.自分への投資
6.クレジットカード、キャッシュレスの選定
7.財形貯蓄制度(年金財形、住宅財形)

 読者が分析する際には、第25回から今回までに述べた枠組みを理解したうえで、具体的な金融機関名や商品について確認していけば良い。