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- 地方版IoT推進ラボが取り組む課題解決プロジェクト
福岡県発のテクノロジーで「IoT社会」実現へ【福岡県IoT推進ラボ】
ビジネスにつながる“場”の創出が重要に
上述したように、福岡県IoT推進ラボが進めてきたプロジェクトなどを契機に、福岡県の企業によるIoT関連の新製品/サービスが次々と創出されている。次のステップとしては、これらの新製品/サービスのビジネス展開を後押しする支援策が重要になる。
そのため2018年度からはビジネスマッチングを強化し、2つの新規事業に取り組んでいる。1つは、「IoTビジネスフォーラム福岡」の実施だ。2018年10月17日~19日にかけて、マリンメッセ福岡(モノづくりフェア会場内)で開催した(写真3)。ものづくり企業、農業団体、福祉施設など利用者側のIoTへの理解を高め、導入意欲を喚起するとともに、IoTシステムを提供するITベンダーとのマッチングや、県内企業が開発したIoT製品/サービスのPRを実施した。
もう1つは、県内ITベンダーによる現場ニーズの把握会である。ITベンダー側からは「顧客の真の課題が分からない」、顧客からは「IoTでできることが分からない」という声をよく聞く。このミスマッチを解決するため、県内ITベンダーがIoTの導入意向を持つ企業・団体に直接出向き、現場の課題やニーズを把握する現場見学会(写真4、5)を実施している。
情報処理推進機構(IPA)の支援を受けて、大型展示会にも積極的に出展し、ラボが実施しているプロジェクトや県内企業の製品/サービスをPRしている。参加企業からは、「ビジネス展開につながった」という声が数多く寄せられている。
IoTは地域課題の解決だけでなく、地域経済を支える成長産業としても期待されている。今までにない新しいIoT製品/サービスを、ここ福岡県から次々と創出していきたいと考えている。
小野 昌志(おの・まさし)
福岡県商工部新産業振興課IoT推進班