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  • 会津若松市はデジタル化をなぜ受け入れたのか

会津若松だからこそ見える日本と世界の動き(前編)【第13回】

アクセンチュア福島イノベーションセンター座談会

中村 彰二朗(アクセンチュア 福島イノベーションセンター センター長)
2018年11月22日

データを核にしたスマートシティの実現に取り組む会津若松市。第1回第12回では、2012年にスタートした会津若松のスマートシティプロジェクトの基本計画や、それに基づいて実施してきた種々の取り組みを紹介してきた。その中でも重要なのが、次代を担うデジタル人材の育成と地元への定着である。今回と次回は、アクセンチュアの会津若松市拠点である「アクセンチュア 福島イノベーションセンター(Accenture Center for Innovation in Fukushima、以下CIF)」に在席する若きデジタル人材の意識や働き方について聞いた座談会の様子をお伝えする。(文中敬称略)

 「アクセンチュア 福島イノベーションセンター(Accenture Center for Innovation in Fukushima、以下CIF)」は、会津若松市のスマートシティプロジェクト推進を支援するためのアクセンチュアの拠点である。現地に拠点を構えてすでに7年が経過した。

 CIFの特徴は、地元密着の拠点として、市の政策や大学と関係を築き、地域連携で化学反応を起こしていく“触媒”的な特異性を持つことだ。もちろん、国内外のシステム開発業務やデータ分析業務の一部も担当している。

 “データに基づくスマートシティ”を掲げる会津若松市にあってCIFは、会津大学と連携したデータに強いデジタル人材の育成・定着拠点でもある。全国各地から若い人材が、ここCIFに集まってきている。CIFセンター長である筆者自身、宮城県の出身であり「Jターン人材」だ。

中村 彰二朗(以下、中村) 「アクセンチュア 福島イノベーションセンター(Accenture Center for Innovation in Fukushima、以下CIF)」センター長の中村です。私は、CIFを福島に立ち上げる構想段階から携わり、CIF設立と同時に会津へ移住してきました(第2回参照)。宮城県出身なので「Jターン」組ということになります。今日までセンター長として勤務していますが、CIFは、なによりメンバーの平均年齢が若く、アグレッシブですね。みなさんがCIFに参加された経緯や現在の役割などを自己紹介してください。

中村 彰二朗(なかむら・しょうじろう)。アクセンチュア 福島イノベーションセンター(CIF)センター長。2011年より現職。宮城県出身の「Jターン」人材

齋藤 政志(以下、齋藤) 会津若松市の出身です。高校卒業後に上京し、大学、就職と、ずっと会津を離れていました。アクセンチュア入社後も、しばらくは首都圏で仕事をしていましたが、2015年にCIFに異動しました。現在は開発担当責任者としてCIFの拡充に携わっています。

齋藤 政志(さいとう・まさし)。アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部シニア・マネジャー。2005年入社、首都圏で勤務したのち2015年にCIFへ異動。会津若松市出身の「Uターン人材」

実証実験をクイックに実施できるコンパクトシティ

 私が生まれた会津若松市は、人口約12万人の典型的な日本の地方都市の1つです。そんな地方都市にアクセンチュアのような外資系の大企業が拠点を構えることは世界的にもまれです。

 しかし、実証実験のフィールドという観点では、日本で初めてコンピューター理工学に特化した会津大学を持ち、ステークホルダーとの距離が近く、産学官連携が緊密です。さまざまなチャレンジをクイックに実施できるコンパクトシティでもあります。私の故郷がデジタルをテコに元気になること、その取り組みに携わっていることをとてもうれしく思っています。

諏訪 七海(以下、諏訪) 私は北関東の出身ですので、「Iターン」組になります。現在は、CIFの業務の柱の1つであるシステム開発(SI:System Integration)案件に参画しています。齋藤さん同様、CIFは行政や、市民、大学、企業のいずれとも距離が近いことを実感しています。

諏訪 七海(すわ・ななみ)。アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部所属。2017年入社、北関東出身の「Iターン人材」